
野菜不足の解消に青汁を取り入れようかと考えている方は非常に多いと思います。実際に、忙しいサラリーマンの方や1人暮らしの方が毎日一定以上の野菜を摂取するというのは難しいことです。その不足分を青汁で補完できたら嬉しいですよね。
本記事では、「青汁は野菜の代わりになりうるのか」ということを栄養価の面から分析した結果を公開していきます。
1日に野菜をどれだけ食べる必要があるのか?

厚生労働省が公開している野菜の目標摂取量は「1日350g」です。さらに細かく言うと、「緑黄色野菜120g+淡色野菜230g」の合計で350gという内訳になっています。
野菜350gといわれてもなかなかピンと来ないと思うので、具体的にどれくらいの量なのかを記したのが上図です。
毎日これだけの野菜を欠かさず用意し、さらに調理するというのはなかなか難しいのではないでしょうか。
野菜350gでどれだけの栄養価を補えるのか
上記の例に挙げた野菜350gを生のまま摂取した場合、下記の栄養価が含まれています。
栄養素 | 生野菜350g |
---|---|
食物繊維総量(g) | 5.8 |
ビタミンA(μgRE) | 432 |
ビタミンE(mg) | 1.4 |
ビタミンK(μg) | 142 |
主なビタミンB群(mg) | 0.63 |
ビタミンC(mg) | 82.9 |
カリウム(mg) | 791 |
カルシウム(mg) | 98 |
マグネシウム(mg) | 40 |
鉄(mg) | 1.37 |
亜鉛(mg) | 0.70 |
※独自調査によるデータです。引用をご希望の方はこちらをご覧下さい。
「青汁は野菜の代わりになるのか」、つまり「上記の栄養価を青汁で補うことができるのか」ということを調べてみましょう。
なお、栄養価のデータはすべてを生で食べた場合の数値になっており、実際には加熱調理をすることで熱に弱い栄養素が分解されたり、水溶性成分が茹で水などに流れ出たりしてしまうため、上記よりも低い数値になると考えてください。
1日分の野菜を青汁で補うことができるのか?

朝昼晩の食事で野菜の代わりに青汁を飲むと考えて、青汁を1日3杯飲んだ場合にどれぐらいの栄養価を摂取することができるのかを説明していきたいと思います。
なお、青汁の中には飲みやすくする目的で成分の半分以上が添加物になっている商品や、合成ビタミン(=人工的に作られたビタミン)が添加されている商品があります。そういった商品を省いた高品質な青汁を1日3杯飲んだ場合に補える栄養価は下記のようになっています。
青汁3杯VS生野菜350g
栄養素 | 青汁3杯 | 生野菜350g |
---|---|---|
食物繊維総量(g) | 4.3 | 5.8 |
ビタミンA(μgRE) | 453 | 432 |
ビタミンE(mg) | 3.0 | 1.4 |
ビタミンK(μg) | 344 | 142 |
主なビタミンB群(mg) | 0.30 | 0.63 |
ビタミンC(mg) | 56.8 | 82.9 |
カリウム(mg) | 262 | 791 |
カルシウム(mg) | 207 | 98 |
マグネシウム(mg) | 40 | 40 |
鉄(mg) | 1.26 | 1.37 |
亜鉛(mg) | 0.84 | 0.70 |
※青汁3杯の栄養価は高品質な青汁の平均値から算出。生野菜は厚生労働省が推奨する緑黄色野菜と淡色野菜の比率に基づいて、五訂増補日本食品標準成分表を用いて算出。それぞれが独自調査によるデータです。引用をご希望の方はこちらをご覧下さい。
熱処理が施してある青汁を生野菜350gと比較しているため、熱に弱いビタミンB群やビタミンC・カリウムなどは生野菜側に多く含まれていますが、その他の熱に強い栄養素に関しては青汁の方が栄養価が高いことがわかります。
加熱された野菜を食べる場合を想定して比較すると、青汁にも野菜に劣らないほどの栄養素が含まれているので、青汁は野菜の代わりになりうると考えることができるでしょう。
「青汁は野菜の代わりになる?」まとめ
青汁は経済的で時短にもなる

青汁は野菜の代わりとして十分な役割を果たすことがわかりました。また、コストや時間の面でも非常に優れた食品だと言えます。
項目 | 青汁3杯 | 生野菜350g |
---|---|---|
高い栄養価 | ビタミンA ビタミンK カルシウム |
ビタミンB群 ビタミンC カリウム |
コスト | 250円 | 300~600円 |
時間 | 3分 | 30~60分 |
青汁は野菜不足を補う手段として使う
主なビタミン・ミネラルから考えると青汁は充分に野菜の代わりとして機能しています。但し、厚生労働省も「緑黄色野菜+淡色野菜」を推奨しているように、様々な野菜をバランス良く摂取することが理想的です。
青汁だけで野菜を補うつもりになるのではなく、普段の食生活にも気を遣いながら、不足する分を青汁で補うように心がけてください。あくまでも補助食品であるという位置付けは忘れないようにしましょう。
1日1杯の青汁で野菜不足の解消が可能
厚生労働省が発表した日本人の平均野菜摂取量は「1日250g程度」となっています。つまり、多くの日本人が1日100gほど野菜不足となっていることがわかります。
100gの野菜を補うのであれば青汁は3杯も飲む必要はなく、1日1杯の青汁で充分です。
栄養素 | 青汁1杯 | 生野菜100g |
---|---|---|
食物繊維総量(g) | 1.4 | 1.6 |
ビタミンA(μgRE) | 151 | 123 |
ビタミンE(mg) | 1.0 | 0.4 |
ビタミンK(μg) | 115 | 41 |
主なビタミンB群(mg) | 0.10 | 0.18 |
ビタミンC(mg) | 18.9 | 23.7 |
カリウム(mg) | 87 | 226 |
カルシウム(mg) | 69 | 28 |
マグネシウム(mg) | 13 | 11 |
鉄(mg) | 0.42 | 0.39 |
亜鉛(mg) | 0.28 | 0.20 |
※青汁1杯の栄養価は高品質な青汁の平均値から算出。生野菜は厚生労働省が推奨する緑黄色野菜と淡色野菜の比率に基づいて、五訂増補日本食品標準成分表を用いて算出。それぞれが独自調査によるデータです。引用をご希望の方はこちらをご覧下さい。
繰り返しますが、基本は1日3食でしっかりと栄養素をとることを大切にしましょう。普段の食事で旬のものなど多品目の野菜を摂取することが重要です。
その上で、忙しい時や栄養バランスが悪い時に青汁を有効活用して頂ければと思います。