中国産の食品絡みで様々な問題がニュースで報じられているのを耳にすることがあると思います。食品偽装問題や衛生面の観点から、中国産の食材全般に不安を感じて国産の食材を選ぶようになった方も多いのではないでしょうか。
中国産のメリットは何といっても「安い!」こと。スーパーのたけのこの価格を比較すると一目瞭然!ものによっては3~4倍も価格が違うことだってあります。そのため、格安チェーン店の食材や加工食品の原料には中国産が使われることが多く、自分では選んでいないつもりでも知らず知らずのうちに中国産の食材を口に入れているかもしれません。
そして、青汁にも中国産の野菜を原料にした商品が数多く存在します。スーパーやドラッグストアなどで異常に安い青汁を見かけることがありますが、そういった低価格の青汁の多くは中国産の大麦若葉などを使用しています。さらに、日本の法律では原産地が中国であっても、最終加工地が日本であれば、「国産」として販売することが可能というルールが存在します。つまり、中国産の野菜を輸入して日本で粉末化すれば、なんと「国産青汁」として販売することが可能なのです!(そういった現状も踏まえて、青汁ライフでは各種青汁メーカーに問い合わせ、各原料の原産地がどこであるか詳しく調査をしてからレポートを公開しています)
果たして中国産の原料を使った青汁は安全なのか!?これから説明していきたいと思います。
なぜ、中国産の食材は危ないのか!?
中国産の食材が危険だとされる理由として「違反件数」の多さが挙げられます。グラフにある通り、厚生労働省による調査でも、中国産の食材が最も違反件数が多い結果となりました。
中国は農薬の使用方法が日本のようにしっかりと定められていないため、日本では危険な農薬として使用禁止になっている農薬が依然として使われていたり、残留農薬が基準値よりも大幅に高かったりと様々な問題があります。
日本の機関も輸入時に食材の検査を実施しているのですが、実は中国産の食材の検査率は約15%に留まっており、8割以上の食材は検査が行われないまま流通しているのが現状です。
実は中国産の違反率は平均以下
中国産の食材は危険と感じた方が多いかもしれませんが、実際は中国産の食材だけが問題なわけではありません。
むしろ、中国産の食材は違反率が0.22%と他国よりも低い結果となっています。
国名 | 中国 | アメリカ | フランス | タイ | 韓国 |
---|---|---|---|---|---|
輸入件数 | 650,431 | 234,425 | 210,978 | 155,770 | 146,982 |
検査件数 | 98,427 | 23,572 | 9,299 | 11,819 | 8,213 |
違反件数 | 221 | 190 | 19 | 84 | 37 |
検査率 | 15.1% | 10.1% | 4.4% | 7.6% | 5.6% |
違反率 | 0.22% | 0.81% | 0.20% | 0.71% | 0.45% |
そもそも、中国産の輸入件数は他に比べても圧倒的に多く、更に、15%という数値で見ると非常に低く感じるものの、実は日本は中国産の食材の検査により力を入れており(他国と比べて検査率が高い)、輸入件数の母数も大きいため結果的に検査件数は非常に多いのです。検査件数が多いことで違反件数の多さも目立ってしまいますが、ならしてみると、他国に比べて違反率が低いという事実が浮かび上がってきます。
日本でも食品偽造問題はたびたび発生しているように、中国産だから必ずしも危険というわけではありません。実際にアメリカの4分の1の違反率であることもこれを裏付けています。それゆえ、低価格であることも相まって、日本でも中国産の食材が重宝されているというわけです。
実際に、「神仙桑抹茶ゴールド」は中国産の原料が使われていますが、高品質なことで有名です。
買ってよい中国産の青汁を見抜く3つのコツ
これまで説明してきたように中国産だから特別に危険というわけではないのですが、中国産を含めた輸入食材には危険性があるのは事実です。また、注意しなければならないのは安全性だけではありません。野菜は育て方によって同じ品種でも味や栄養価が変わります。規定の範囲内で農薬が使用されており安全性に問題がないとしても、手を抜いた栽培方法で育てられた低品質の野菜を用いていることで栄養価が低くなってしまっていては意味がありません。
ここからは「安全性が高い」かつ「品質が高い(栄養価が高い)」中国産の野菜を見抜くコツを3つに分けてご紹介していきます。
残留農薬検査を自社で実施している青汁を選ぶ
残留農薬検査を自社で実施している青汁を選ぶようにしましょう。輸入食材は検査があると言われていますが、前述した通り検査に力を入れている中国産でさえ検査率は15%前後しかありません。
したがって、本当に安全かどうかを自社で検査する体制を整えていることは重要なのです。できればきちんと検査されたものが出荷されているという安心感が持てるものを選びたいですよね。自社での残留農薬検査結果が基準値以下であれば安全性が高く、また、農薬が未検出(無農薬)であれば品質が高いと言えるでしょう。
最終仕上げ加工が日本で実施されている青汁を選ぶ
いくら原材料管理がしっかりとされていても、商品化をする段階で問題が生じる可能性もあります。
また、原材料を粉末化する工程でどのような処理をするかで味や栄養価が異なってくるため、各企業の技術が問われるところです。
したがって、最終仕上げ加工は日本で実施されている青汁の方がより安心できるのではないでしょうか。
先述した通り、最終加工地を原産国として表記していいというルールがあるため、この場合商品のパッケージを見ても日本で加工された旨のみの記載となっている場合があります。しかし、こうした商品もホームページなどでは原材料を中国で栽培してると明記していることがあるので、併せてチェックしてみてくださいね。
栄養価が高い青汁を選ぶ
残留農薬検査をクリアして最終仕上げ加工が日本で行われていれば安全性は高く、品質も良い可能性が高まります。
しかし、最重要視すべきポイントと言っても過言ではないのが、粉末化した時に栄養価が高い青汁を選ぶということです。結局のところ、栄養価が高い青汁であれば、丁寧に栽培・加工された高品質な原料が使われている可能性が高いと言えるのです。
栄養価が高い青汁を選ぶには、まず青汁のパッケージや販売サイトを確認して栄養成分を確認することです。栄養成分に記載されているビタミンやミネラルの含有量を確認することで、栄養価が高いかどうかを判断することができます。詳しい方法は下記の記事を参考にしてください。
続いて、青汁の成分構成を確認するという方法があります。少し高度な手法になりますが、ビタミンやミネラルの含有量は表示義務がないため表示されていない場合があります。そういった時に役立つのが成分構成です。詳しい方法は下記の記事を参考にしてください。
さて、今回は「中国産の青汁」の安全性について説明しました。
中国産の食材は違反率はそれほど高いわけではなく、実際に中国産が使われている青汁でも素晴らしい商品はあります。
但し、中国産を含め、輸入食材にリスクがあるのは事実なので、今回紹介した手法などを活用してに安全で高品質な青汁を選んで頂ければと思います。