栄養価の高い青汁を作るために、メーカーは「有機・無農薬」の高品質な野菜を栽培したり、栄養素をなるべく壊さないために「熱処理」を加えなかったりと様々な工夫を施します。その結果、粉末化された青汁にどれぐらいの栄養価が残っているのかということが青汁の品質を見抜くための1つの大きな指標となります。
青汁の販売サイトやパッケージを確認して、ビタミンやミネラルまで詳しく栄養成分が表示されていれば良いのですが、多くの場合は表示されているとしても「エネルギー・たんぱく質・脂質・糖質」のみであり、ビタミンやミネラルの細かい数値までは掲載されていません。そこで、今回はビタミンやミネラルなどの栄養価が表示されていない場合に役立つ「成分構成」について紹介していきたいと思います。
青汁選びの必須ツール「成分構成」とは!?
青汁ライフで度々登場する「成分構成」とは青汁粉末中に含まれる「糖質」「食物繊維」「その他(糖質と食物繊維以外)」の成分の割合を表しています。例えば、青汁A粉末100g中に糖質が25g・食物繊維が30g・その他が45gだった場合、成分構成は「糖質25%・食物繊維30%・その他45%」ということになります。一方で、青汁B粉末100g中に糖質が55g・食物繊維が30g・その他が15gだった場合、成分構成は「糖質55%・食物繊維30%・その他15%」ということになります。
栄養素 | 青汁A | 青汁B |
---|---|---|
糖質 | 25% | 55% |
食物繊維 | 30% | 30% |
その他 | 45% | 15% |
今回の例の場合、青汁Aと青汁Bを比べると青汁Bは糖質の割合が高く、その他(ビタミンやミネラル)の割合が低くなっています。前述した通り、「その他」の量は全体から糖質と食物繊維を引くことで算出できます。したがって、青汁Aに比べて青汁Bの方が糖分が多く、ビタミンやミネラルが少ないのではないかと推察できるわけです。もちろん、この方法は絶対的なものではありませんが、青汁の品質を見抜く1つの指標として絶大な威力を発揮します。
実際に下記の表をご覧頂ければわかるように成分構成の「その他」の割合が高い青汁は栄養価が高い傾向にあります
その他の割合 | 19%以下 | 20~29% | 30~39% | 40%以上 |
---|---|---|---|---|
栄養指数 *1 | 63% | 84% | 113% | 115% |
※本データは青汁メーカー100社以上の調査結果(こちらのデータは必要に応じて定期的に更新いたします)から作成
*1.栄養指数:青汁メーカー100社以上の栄養成分の平均値と比較した数値を基に算出。単純に、100%を上回るほど青汁に含まれる栄養成分が多く、100%を下回るほど栄養成分が少ないということになります。
栄養素 | その他の割合 29%以下 |
その他の割合 30%以上 |
---|---|---|
食物繊維総量(g) | 1.0 | 1.2 |
ビタミンA(μgRE) | 23 | 74 |
ビタミンE(mg) | 0.2 | 0.4 |
ビタミンK(μg) | 38 | 81 |
ビタミンB1(mg) | 0.01 | 0.01 |
ビタミンB2(mg) | 0.02 | 0.04 |
ナイアシン(mgNE | 0.07 | 0.21 |
ビタミンB6(mg) | 0.03 | 0.03 |
葉酸(μg) | 12.0 | 12.3 |
パントテン酸(mg) | 0.03 | 0.06 |
ビタミンC(mg) | 5.9 | 3.9 |
カリウム(mg) | 71 | 93 |
カルシウム(mg) | 20 | 41 |
マグネシウム(mg) | 4 | 8 |
鉄(mg) | 0.33 | 0.52 |
亜鉛(mg) | 0.05 | 0.11 |
栄養指数 *1 | 78% | 114% |
※本データは青汁メーカー100社以上の調査結果(こちらのデータは必要に応じて定期的に更新いたします)から作成
*1.栄養指数:青汁メーカー100社以上の栄養成分の平均値と比較した数値を基に算出。単純に、100%を上回るほど青汁に含まれる栄養成分が多く、100%を下回るほど栄養成分が少ないということになります。
成分構成の計算方法
前項目の例では、粉末100g中に含まれている栄養成分を基に計算をしましたが、実際には青汁1包当たり(3~5g)に含まれている栄養成分から計算をしなければならないことが多いため、計算は少し複雑になります。また、糖質や食物繊維が表示されていない場合もあるので、順を追って説明していきたいと思います。
①糖質の割合を計算する
エネルギー 10kcal
タンパク質 0.3g
脂質 0.05g
糖質 1g
食物繊維0.5g
上記の栄養成分表示では1包3g中に糖質が1g含まれています。したがって、糖質の割合は「(1g÷3g)×100=33%」になります。なお、野菜は個体差があり、また季節によって栄養価が変動するため、栄養成分表示の数値が「1.5~2.7g」というように幅を持たせて表示されている場合があります。その時は平均値<(1.5+2.7)÷2=2.1g>で計算するようにして下さい
糖質が表示されずに炭水化物が表示されている場合
「炭水化物=糖質+食物繊維」
1包3g中の栄養成分表示
エネルギー 10kcal
タンパク質 0.3g
脂質 0.05g
炭水化物 1.5g
食物繊維0.5g
エネルギー 10kcal
タンパク質 0.3g
脂質 0.05g
炭水化物 1.5g
食物繊維0.5g
栄養成分表示を確認すると糖質が表示されずに「炭水化物」が表示されていることがあります。一般的に「炭水化物=糖質」として取り扱われることがありますが、正しくは同義ではありません。炭水化物とは糖質と食物繊維を合わせたものです。
つまり、糖質が表示されずに炭水化物が表示されている場合は「炭水化物‐食物繊維」をすることで糖質を導き出すことが可能です。したがって、下記の例だと「炭水化物(1.5g)‐食物繊維(0.5g)」=糖質1.0gと算出されます。
炭水化物しか表示されていない場合
エネルギー 10kcal
タンパク質 0.3g
脂質 0.05g
炭水化物 1.5g
稀に栄養成分表示に糖質も食物繊維も表示されず、炭水化物だけが表示されていることがあります。この場合は糖質を算出することはできないのですが、食物繊維の表示を省略しているということは成分中に食物繊維がほとんど含まれていない可能性が高いです。野菜ジュースなどで飲みやすくするために繊維質をすべて排除した場合は食物繊維の値が非常に低くなります。青汁の場合でも同様の手法が用いられることがあります。そこで、暫定的に食物繊維は0gとして、つまり、炭水化物=糖質として計算をするのも一つの手です。
②食物繊維の割合を計算する
エネルギー 10kcal
タンパク質 0.3g
脂質 0.05g
糖質 1g
食物繊維0.5g
糖質と同様に食物繊維の割合を計算します。前述したように食物繊維の表示がない場合は、食物繊維がほとんどの含まれていない可能性を考慮して暫定的に0%としてしまいます。
③その他の栄養成分の割合を計算する
エネルギー 10kcal
タンパク質 0.3g
脂質 0.05g
糖質 1g
食物繊維0.5g
その他の割合は全体から糖質と食物繊維の割合を引くことで計算が可能です。今回の例の場合は糖質33%・食物繊維17%になるため、その他の割合は50%になります。したがって、青汁の成分構成は「糖質33%・食物繊維17%・その他50%」であることがわかります。
ここまでの計算が面倒だという方は本ページの最下部に自動計算フォームを用意しております。そちらに数値を入力してご活用下さい。
また、手っ取り早く効果の良い青汁を見つけたい方は「青汁総合評価ランキング」を参考にして下さい。
なお、本ページで掲載している青汁の徹底検証レポートは成分構成をすべて計算し掲載しております。
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成分構成の使い方
成分構成を活用すれば、栄養成分表示にビタミンやミネラルの細かい数値が表示されていなくても、青汁の品質を推察することが可能です。栄養成分表示や原材料表示だけでは見えない部分も見えるようになってくるのでうまく活用して頂ければと思います。具体的な活用方法は下記の記事で紹介しているので興味のある方はご覧になって下さい。