
カルシウムと聞くと、骨をつかさどる栄養素、というイメージが真っ先に浮かぶと思います。実は、カルシウムは人間の体において最も多く存在するミネラルであり、ほとんどが骨や歯などに使用されています。しかしながら、ごくわずかですが、一部は血液や筋肉、神経などにも含まれているんです。
体の主軸を形成していると言っても過言ではないカルシウムですが、2015年に厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準(2015年版)総論」によると、日本人が一日に必要な摂取量は、成人男性の場合600~650mg、女性の場合550㎎程度なのに対し、実際の摂取量は男性平均443-473㎎、女性平均430mgほどと不足の傾向にあるそうです。また、摂取したカルシウムは100%吸収されるわけではなく、成人で25~30%程度に留まります。
今回は体の基盤ともなるカルシウムの働きや不足した場合の症状、そして青汁がカルシウム不足の解消になぜ効果的かについて説明します。
カルシウムの働き

カルシウムには下記の働きがあります。
・骨の形成 ・筋肉の正常な収縮 ・神経刺激と筋肉の反応をつなぐ ・神経細胞内の情報伝達(ストレスの軽減) ・血液凝固 ・高血圧の予防 ・動脈硬化の予防 |
カルシウムの主な働きはなんといっても骨や歯の形成機能です。骨は約3か月のサイクルで骨の形成と骨からのカルシウム溶出を繰り返しています。
カルシウムの溶出とは聞きなれない方も多いかと思います。これは、血液内におけるカルシウム濃度を一定に保つ機能に伴う現象です。冒頭でも触れましたが、体内におけるカルシウムの1%ほどは血液や筋肉、神経にも含まれ、筋肉や神経が正常に作動するための重要な役割を果たしています。そこで、血中のカルシウム濃度を一定に保つべく、随時骨からのカルシウム溶出で血中の濃度を調整しているのです。
そのため、カルシウムを必要量摂取することで、丈夫な骨と正常な筋肉および神経の作用がもたらされるのです。これが、高血圧や動脈硬化の予防にもつながっています。
さらに、「イライラする人はカルシウムを摂れ」とよく言いますが、これはカルシウムを摂ることによって神経細胞内の情報伝達がスムーズになり、脳の働きがよくなることで神経過敏が治まり、ストレスが軽減されることを意味しています。
以上のように、カルシウムは骨や歯を形成するだけでなく、体が正常に作動するよう重要な役割を担っているのです。
カルシウムが不足するとどうなる?

体の機能正常化に欠かせないカルシウム。不足すると、以下の症状が発生する恐れがあります。
・骨粗しょう症 ・高血圧 ・動脈硬化 ・痴呆症 ・神経過敏(イライラするなどの症状) |
カルシウムが不足すると骨密度が低下し、骨や歯がもろくなったり変形したりするというのは想像に易いと思います。特に、女性は骨粗しょう症になりやすいので、年を重ねるごとにカルシウムの積極的な摂取が求められます。これには閉経後の女性ホルモンの減少が大きく影響していると言われています。これまでは女性ホルモンの一種が骨からカルシウムの溶解を抑制していましたが、この機能が損なわれることによって骨密度が低下していくのです。
また、カルシウム摂取量が減少し血中のカルシウム濃度が低下すると、体が危機感を覚え、カルシウム濃度を上げようと必要以上に骨を溶かし血中にカルシウムを流出させます。こうして過度に流れ出たカルシウムは血管の収縮を引き起こし、血管の柔軟性を損なうため、結果として動脈硬化や高血圧を引き起こします。
加えて、カルシウムは神経の情報伝達に欠かせない栄養素です。カルシウムが不足すると、脳への情報伝達が滞り、痴呆症や神経過敏など様々な症状が併発します。
青汁がカルシウムの補給に効果的な理由

日本人は慢性的なカルシウム不足にあることが厚生労働省の調査から明確になっています。必要量からはおよそ120-150mg、推奨量から比較すると220㎎ほども不足しているのです。これに加え、カルシウムは成人で吸収率が25~30%ほどと低いので、補給が難しいという側面があります。
カルシウムが多く含まれる食材には乳製品や小魚などが挙げられます。しかし、吸収率が高い牛乳はカルシウムの吸収を阻害するリンが含まれており、また、小魚も毎日摂取するのは大変です。
こうした点から青汁は非常に習慣化するには手軽でカルシウムを摂取しやすい食品であると言えます。
手軽なだけじゃない!青汁のメリット3つ

第一のメリットは、植物性のカルシウムを一日あたりの不足分摂取できるということ。青汁には生野菜350gと比べ、平均して2倍強のカルシウムが含まれており、その量はなんと207mg!ちょうど不足分を補うだけの量が含まれているんです。
第二のメリットとしては、青汁にはカルシウム吸収を助けるマグネシウムも含まれているので、より効率的にカルシウムを吸収できるということが挙げられます。冒頭でも述べたように、カルシウムは吸収率が低いため、より多くを吸収できるような食べ合わせや栄養素をチョイスしていきたいところです。
第三に、青汁はカロリーが非常に低いというメリットがあります。1日3杯飲んでも50kcalを超えないことがほとんどです。ダイエットをしている、あるいは病気などで糖質を制限している方にも抵抗なく生活に取り入れていただくことのできるカルシウム摂取手段ではないでしょうか。
「青汁って青臭そう・・・始めるのが不安・・・」という方はぜひ「青汁総合評価ランキング【青汁選びの決定版】」を参考に、飲みやすい青汁を探してみてください!まるでお茶のように癖がなくごくごく飲める青汁もあるんです。また、レモンなどを入れて飲むと青臭さも軽減される上に、クエン酸にはカルシウム吸収を上げる効果があるので、ぜひ試してみてください!