「青汁を豆乳で割ると飲みやすくなる!」
青汁の豆乳割りは、昔から人気のあるアレンジ法です。確かに、青汁を豆乳で割ると抹茶ラテのようなまろやかな風味に変わり、飲みやすくなります。
さらに、注目すべきは飲みやすさだけではありません。青汁と豆乳をセットで飲むことで健康効果も抜群に上がるのです。今回は青汁の豆乳割りの魅力についてお話ししていきたいと思います。
豆乳に含まれる成分に関して
まずは、豆乳の原料になる大豆の成分を確認していきたいと思います。
大豆には美容やダイエットに効果的な成分が豊富に含まれています。なお、大豆自体は消化に良くないというデメリットがあるのですが、豆乳に加工されると消化が早くなります。
大豆タンパク (大豆ペプチド) |
必須アミノ酸が豊富に含まれており、良質なタンパク質であることから「畑の肉」と呼ばれています。大豆タンパクは消化と吸収に時間がかかるため、満腹感が長く続くという特徴があります。 |
---|---|
大豆サポニン | 血液中のコレステロールや中性脂肪などの余分な脂質を排出、および吸収を抑制する作用があります。また、抗酸化作用があります。 |
大豆イソフラボン | ポリフェノールの一種で、女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きをします。女性特有の悩みをサポートする栄養素で、肌の張り・しわの改善・生理不順の改善・女性らしい体の維持などに役立ちます。 |
大豆レシチン | コレステロールの排出を助け血管を強くする効果があります。また、体中の細胞に働きかけて新しい細胞を作り出し、細胞がスムーズに働く手助けをすることから「若返りの栄養素」と呼ばれています。 |
大豆オリゴ糖 | 大豆にはラフィノースとスタキオースという天然のオリゴ糖が含まれています。大豆オリゴ糖にはビフィズス菌を増やして腸内環境を整える効果や血糖値の上昇を抑える効果があります。 |
以上のように大豆にはダイエットや美容に効果的な成分が多種含まれていることがわかります。
次は、そのような大豆を原料にした豆乳と青汁の相性がなぜ良いのかを見ていきたいと思います。
青汁と豆乳の相性に関して【味編】
青汁の三大原料と豆乳の相性
各メーカーが青汁を豆乳で割ることをオススメしていますが、味の面では青汁の主原料によって豆乳との相性に差異があります。
原料 | ケール | 大麦若葉 | 明日葉 | 桑の葉 |
---|---|---|---|---|
豆乳との相性 | × | ◎ | △ | △ |
大麦若葉のように青臭さが少なく苦味が特徴の青汁は、豆乳割りにすることでまさに抹茶オレのような風味になるため相性は抜群です。
しかし、ケールのように青臭さが強い原料との相性はあまりよくありません。また、豆乳の場合、水と比べて粉末が溶けにくいというデメリットがあります。シェイカーでしっかりと混ぜるようにしましょう。
なお、大麦若葉が入った青汁でオススメなのが「べジパワープラス」です。栄養価が高く、人気の青汁です。
続いて、大麦若葉以外の青汁でも豆乳割りで美味しく飲むために効果的なオススメのトッピングを紹介したいと思います。
青汁の豆乳割り+「はちみつレモン」
ケールを用いた青汁に代表される「苦味」をはちみつの甘味が、「青臭さ」をレモンの酸味が緩和してくれます。
はちみつには腸内環境を整える効果があり、レモンには豊富なビタミンCが含まれるため、両者共に健康的の面でもオススメできるトッピングです。もちろん、片方だけのトッピングや、はちみつの代わりに「オリゴ糖」をトッピングしても飲みやすくなりますので、ご自身のお好みで調整してください。
青汁と豆乳の相性に関して【成分編】
青汁の豆乳割りは栄養バランスが抜群
青汁には青汁の良いところが、豆乳には豆乳の良いところがあり、それぞれの相乗効果にも期待ができるのですが、何よりも注目したいのは両者を合わせた時得られる栄養バランスの良さです。
上図をご覧ください。青汁に多く含まれる栄養素が「食物繊維」「ビタミンA・E・K・C」「カリウム」「カルシウム」なのに対し、豆乳に多く含まれる栄養素は「たんぱく質」「ビタミンB群」「マグネシウム」「鉄」「亜鉛」と、互いに足りないものを補い合っています。
「大豆+青汁(野菜)」という組み合わせは「納豆+サラダ」「豆腐+味噌汁」というように健康的な食事のお手本のような組み合わせなのです。
青汁の豆乳割りはダイエットに最適
項目 | タンパク質 | ビタミン ミネラル |
腸内環境改善 | 脂肪燃焼 脂肪抑制 |
満腹効果 |
---|---|---|---|---|---|
青汁 | × | ◎ | ◎ | 〇 | △ |
豆乳 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
カロリーコントロールをしながらダイエットをしたい時にぜひ取り入れていただきたいのが、「青汁の豆乳割り」なんです。
青汁には、ダイエットを成功させる上で必要となるビタミン・ミネラル、腸内環境を整える食物繊維、脂肪燃焼・脂肪抑制に効果的な特有成分が豊富に含まれています。豆乳には、青汁には不足している「タンパク質」と「満腹効果」があり、その他のダイエットに必要な効果効能も満遍なく含まれています。
短期間で健康的なダイエットを目指す方は3食の内1食を青汁の豆乳割りに置き換えるなどの「置き換えダイエット」にチャレンジしてみてはどうでしょうか。お肌や体全体の健康に必要なビタミンや大豆イソフラボン、腸内環境を整える食物繊維や大豆オリゴ糖、そして血糖値の上昇を抑えたり脂肪の排出を促す大豆サポニンやビタミンを効率よく摂取できる優れものですよ。
「青汁の豆乳割り」の注意点
調製豆乳と無調整豆乳に関して
豆乳には「調製豆乳」と「無調整豆乳」がありますが、それぞれJAS規格での決まりがあります。
調製豆乳 | 大豆固形分6%以上・大豆タンパク質3.0%以上 →砂糖や塩や乳化剤や香料をいれて飲みやすいように調製 |
---|---|
無調整豆乳 | 大豆固形分8%以上・大豆タンパク質3.8%以上 →基本的に大豆と水だけで作られる |
添加物やカロリーの摂取を少しでも抑えたいという方は、無調整豆乳を選んだ方が良いでしょう。
豆乳入り青汁に関して
青汁の粉末内に豆乳粉末があらかじめ入っている「豆乳入り青汁」が存在します。
青汁と豆乳の良さを同時に得られる内容ではありますが、気になるのは青汁1包内に含まれる野菜の栄養素が少なくなりやすいということです。
青野菜由来の天然のビタミン・ミネラルをしっかりと摂取できてこそ意味があるので、必ずしも豆乳入り青汁が良いというわけではない点をご理解ください。
1日の摂取量に関して
青汁や豆乳に限ったことではありませんが、過剰摂取には注意が必要です。特に大豆のイソフラボンには摂取目安量の上限値が設定されています。
大豆イソフラボンの安全な1日の摂取目安量の上限は1日70~75mgとする (食品安全委員会 大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方) |
豆乳1パック(200g)には約50mgの大豆イソフラボンが含まれています。また、豆乳以外にも、大豆を使った食品には大豆イソフラボンが含まれています。例として、味噌汁1杯(20g)に約6mg、納豆1パック(50g)に約35mg、豆腐1丁(300g)に約60mg入っています。
つまり、豆乳を1日に2パック飲むと大豆イソフラボンの摂取量の上限値を超えてしまうのです。青汁の豆乳割りは1日に1度にする、また、納豆や豆腐など大豆食品を多く食べている日に関しては青汁の豆乳割りは控えるなど、その日の食事内容に応じて調整していただければと思います。
なお、イソフラボン量は製品によって差があります。高品質で大豆固形分や大豆タンパクの割合が高い豆乳だと1パック内に非常に多い大豆イソフラボンが含まれていることもあるので、ご注意ください。
生理中の摂取に関して
上の「豆乳に含まれる成分に関して」で示した通り、大豆に含まれる大豆イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きをします。「生理前及び生理中はホルモンバランスが乱れる」ということは、女性であればよくご存知かと思いますが、実は生理の周期を司るホルモンの一つがこのエストロゲンなのです。
生理前及び生理中はエストロゲンが著しく減少している状態にあります。そんな中、エストロゲンと似た働きをする成分を含む豆乳を飲むことで、人によっては生理が遅れる、あるいは生理痛が重い、といった症状が出ることが報告されています。
まずは1日の摂取量を守りながら、ご自身の体調の変化に注意を傾けて、飲むタイミングを調整してみてください。